複雑化する世界経済と金融市場 ウクライナ情勢は、先進国による対ロ制裁措置などによるロシア貿易の混乱、物価高によるロシア経済の悪化、エネルギー価格高騰などを通じて、世界経済の下振れリスクを高めている。それに、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めの加速見通し、さらに中国上海でのロックダウン(都市封鎖)が、新たな世界経済のリスクとして加わってきている。それらが互いに絡み合う形で、全体として世界経済の下振れリスクが増幅されているのが現状だ。 一方、それらによって商品市況、金融市場には複雑な影響が及んでいる。例えば対ロ制裁措置は、原油価格の上昇を招いているが、ロックダウンによる中国経済の減速が中国の原油需要を鈍化させるとの観測から、原油価格を安定させている面もある。また、FRBの利上げ見通しが一段と引き上げられる中でも、中国の景気減速懸念が米国長期金利の一段の上昇を抑える、といったことが
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