「当社の省エネに向けた技術開発は以前から盛んでした。ただ、エアコンをはじめ空調機器はエネルギー消費が大きいもの。今後海外でもさらに空調機器が普及していけば、その分エネルギーの消費も増えるという事実は変わりません。 私も研究を進めていくにつれ、これからは『脱炭素』『再エネ』の時代がくると確信するように。ダイキンの技術をエネルギーの創出に振り向けられないだろうかという思いを抱くようになりました。創エネに尽力することは、環境負荷の高い空調機器を扱うグローバル企業としての責務だと考えています」 そこで松浦氏が目をつけたのが、“街中での水力発電”だった。ダムに代表される水力発電は、水が移動する際の落差が持つエネルギーを利用して水車を動かし、水車につながる発電機を回転させて電気を生むという仕組み。これを、水道など既存の生活インフラを活用して小規模で行えるようにすれば、街の至る所でエネルギーを生み出せる