フランス・パリで開催されている第33回オリンピック競技大会の開会式は「多様性」がテーマで、コンサバティブな人々にははなはだ評判が悪かったようだ。そうしたなか、台湾については少し興味深い出来事があった。 フランスのテレビ司会者が台湾選手団入場のとき、「チャイニーズ・タイペイ、私たちがよく知る台湾です」とわざわざ言い換えて解説していたのだ。フランスというと親中的だと思われていたが、少なくともフランスメディアは、台湾に好意的であるという印象を台湾人自身が受けたようだ。 折しも、台北ではIPAC(対中政策に関する列国議会連盟)年次総会が開催され、台湾が民主主義国家の重要なパートナーとして見直されていることも可視化されてきた。頼清徳新政権がスタートしてまもなく始まったパリ五輪は、台湾が国際社会にその存在感を問う上で意外に大きな影響力があるかもしれない。 (福島 香織:ジャーナリスト) >>【写真】多