前回を読まれた読者の中には、小田嶋氏の発言を過激と感じた人もいるかもしれない。そして、ひるまず信念を貫く言動は、相手が政治家でも鈍ることはない。以下は、2016年11月2日に自民党本部で開かれた農林関係議員の会合での発言。当時の部会長は小泉進次郎氏だ。 「先ほどから全農改革の話が出ているが、今までと同じでいいというところはどこにもない」 小泉氏が主導した農業改革の最大の標的は農協の上部組織、全国農業協同組合連合会(全農)だった。改革派の組合長として知られる小田嶋氏の上の発言は、全農批判に同調するもののように思われた。だが、小田嶋氏はこう続けた。 「産業振興は行政の大きな役割で、それには協力していくべきだと思っているが、農業をどうすべきかという話をするのであれば、我々民間を変えるよりも、法律や制度を根本的に見直すことが必要ではないか。政治家は法律や制度を作るのが仕事で、民間をいじくりまわすこ