大手通信企業のトップがオークション導入について言及するなど2022年は電波を巡る議論が一段と活発化しそうだ。移動の柔軟性を支える電波は、IoTやCASEが本格化する時代には、資本や労働と同様に重要な生産要素だ。その最適資源配分に向けて、既に世界の多くの国々では電波オークションが採用され、2020年にはこの分野の研究にノーベル経済学賞も授与された。まさに、より良い「マーケット・デザイン」を目指して現在進行形で英知が結集されている領域だ。今回は、新年特集号として、電波を巡る日本の政策論議について考えてみよう。 動き出した電波を巡る政策論議 いよいよ2022年がスタートした。今年は電波を巡る政策論議が一段と活発化しそうだ。今夏をめどに新たな電波割当方式を取りまとめる総務省の方針を受けて、大手通信企業のトップもオークション導入の是非について言及し始めている(日本経済新聞[2021])。 前回解説し