日米貿易協定が10月24日から国会審議に入った。最大の焦点は、私が当初から指摘してきたように米国の自動車・自動車部品関税となっている。しかし大事なことは、「事実に基づく政策論議」だ。これが今の日本に欠けている。国内でしか通用しない、都合のいい解釈論とは仕分けすべきだ。 重視すべきこの協定の自動車関税に関する「事実」とは、以下の2点である。 (1)日米両国で署名された文書にどう書かれているか (2)相手国である米国側がどう対外説明しているか (1)については、すでに指摘したように(関連記事:日米貿易協定から「自由貿易」が消えた!)、 「自動車・自動車部品関税の撤廃に関して更に交渉する」としか書かれていない(日米貿易協定の原文=、119ページを参照)。これを「さらなる交渉による関税撤廃」と意訳して発表したり、「将来における関税撤廃を約束した」と解釈したりしている。これは、明らかに事実から逸脱し