「安倍首相の表情に達成感はみられなかった。首脳2人だけの会談でも進展はなかったのだろう」(袴田氏)(写真:代表撮影/AP/アフロ) 安倍晋三首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が1月22日、25回目の首脳会談を終えた。北方領土問題について「進展がなかった」との報道が相次いでいる。私はこれをポジティブに評価している。「歯舞・色丹の2島引き渡し」で妥協すべきでないと考えるからだ。実際は2島引き渡しでさえも困難だと考えているのだが。 北方領土問題の本質は「主権侵害」である。ソ連(当時)は1945年8月9日、日ソ中立条約に違反して日本に参戦し、北方領土(国後、択捉、歯舞、色丹)にも侵攻。これ以来、北方領土を不法占拠している。ロシアは「ソ連の対日参戦はヤルタ協定に基づくもの」で「大戦の結果、南サハリン(樺太)と千島列島(国後、択捉、歯舞、色丹を含む)はロシア領となった、と主張する。けれども、日