ウクライナ侵略戦争を仕掛けたロシアのプーチン大統領は、「核兵器を持ち世界屈指の軍事力を有するわが国本土に攻め込むはずがない」と、ウクライナのゼレンスキー大統領を見くびっていただけに、そのメンツは大いにつぶされた格好だ。 ただ不可解なのは、ウクライナ逆侵攻部隊が国境から約30kmも内陸のクルスク州スジャ周辺まで進撃し、1カ月以上居座っているにもかかわらず、ロシア側の対応があまりにも鈍い点だ。 激震に見舞われたプーチン政権は、しばらくの間思考停止・現実逃避に陥ってしまったのだろうか。国家安全保障の“一丁目一番地”である本土防衛があっけなく破られ、「母なる大地」ロシアの一部を外国軍に占領される状況は、誰の目から見ても緊急事態だろう。 対応にぐずぐずしているようでは、「強い指導者」を自負するプーチン氏の看板も地に落ちる。早々に大戦車軍団を差し向け、「わが祖国を踏みにじったウクライナ軍を鎧袖一触(が