「このまま日本にいてはつぶれるのを待つだけだ。ここはチャンスに賭けてみるか」 青梅にある倒産寸前の小さな町工場がタイに進出し、みるみる事業を拡大してインドやメキシコにも拠点を構える売上高67億円の企業へと変貌を遂げた。鮮やかなジャパニーズドリームを実現したのは、金属切削部品加工メーカーの平岡産業だ。 同社がタイに進出したのは1995年。五代目である社長の平岡泰浩氏は振り返る。 「弊社は1907年に織物業として創業しました。戦前までは調子がよかったようですが、その後は赤字続き。1972年に金属加工業に転業してからも、後発ですから明るい話はほとんどなかった。よくテレビで町工場の社長が自殺とかいうドラマをやっているでしょう。映像を見ると、うちと同じ機械が置いてあって他人事とは思えない。製造業の底辺であえいでいました。そんなときに取引先の商社から『タイに出てみないか』と声がかかったんです」 現状の
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