病院情報管理システムの開発が失敗した責任を巡って旭川医科大学とNTT東日本が争った「旭川医大・NTT東裁判」の控訴審判決は、失敗の全責任はユーザー企業にあるとするものだった。いったん仕様を凍結した後も追加開発を要求したユーザー側の姿勢が問われるものだったが、IT訴訟でいずれか一方の過失割合が100%になるケースは珍しい。 ITベンダーとユーザー企業が争うIT訴訟でよく知られているのは、勘定系システム開発失敗の責任を巡ってスルガ銀行と日本IBMが争った「スルガ銀・IBM裁判」だろう。日本IBMが約42億円の賠償を命じられたことから、IT訴訟はITベンダーに厳しい判断が下されるとのイメージが強い。 だが実際のIT訴訟では旭川医大・NTT東裁判のように、裁判所がプロジェクトの実態を精査したうえで、ユーザー企業の責任も厳しく問うている。ITベンダー側はプロジェクトを適切に管理する「プロジェクトマネ