組み合わせ最適化問題を高速に解ける量子コンピュータの分野で、世界初の商用化に成功したカナダのディーウェーブ・システムズ。その背中を大手ITベンダーや研究機関などの日本の4グループが独自技術で追い始めた。 4陣営のうち独自の量子技術で競うのがNEC、そして国の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」に採択されたNTTなどによる研究グループである。富士通と日立製作所の2社は、それぞれ既存の半導体回路を使った最適化問題の加速演算チップを開発し、量子計算に対抗する方法を取る。 第2回は、組み合わせ最適化問題を解く量子コンピュータを開発する2陣営が描く逆転のシナリオと課題に迫る。 各社の量子コンピュータの性能を比べるうえで最も重要な指標が、搭載する量子ビット数と、量子ビット同士の結合状態だ。 ディーウェーブとNEC、ImPACT採択チームで比較すると、3陣営が開発するマシンの量子ビット数はほ