2018年7月20日、北アイルランドを訪問したメイ英首相。EU離脱後の経済協力構想に対する支持を、有権者に訴えた 明治維新から150年。福沢諭吉の「脱亜入欧」は明治の基本思想だったが、日本がめざした英国はいま逆に「脱欧入亜」に傾斜している。欧州連合(EU)からの離脱(BREXIT)交渉は難航を極めており、このままでは合意なき「無秩序離脱」を余儀なくされる。そのなかで英国は日本が先導する環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を模索し、アジア太平洋に活路を開こうしている。150年後の日英逆転は、かつての「大英帝国」の漂流ぶりを浮き彫りにしている。 150年後の日英逆転 明治維新を受けて派遣された米欧使節団(岩倉具視使節団)は、米欧先進国と日本との落差を身をもって感じたはずだ。「脱亜入欧」が明治の基本思想になったのは当然だった。とりわけ産業革命さなかの英国で使節団は、ロンドン・シティーや各地の製