「夫婦別姓」は、働く女性にとっては便利な点もある。何しろ、これまでと同様の名前で仕事ができる利点は多い。比較文学者の小谷野敦氏が、「夫婦別姓を訴える女」について言及した。 * * * 野田聖子が夫婦別姓法を主張していたのは、自分が野田の姓を残したかったからだというのは、もう分かりきったことだ。つまり夫婦別姓を主張する者の中には、進歩的どころか保守、家名を残したいという思惑の者が少なからずいるはずだが、このことは奇妙なほどに議論されない。 もし子供が生まれないのであれば、夫婦別姓など何の問題もない。別姓法案では、子供の姓は最初に決めておくとなっていたりするが、その取り決めはどの程度の拘束力を持つのか。決めたことは後で変えられる。夫婦別姓になどしたら、いざ子供ができた時に、自分の姓にしたいという妻が裁判所に訴えを起こすだろう。 夫婦別姓などというのは先進国では日本だけだ、などと言っている人は、