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かつて、中国・東北地方に満州国と呼ばれた「国家」があった。「王道楽土」や「五族協和」の理想をうたいながら、実態は日本の傀儡(かいらい=属国)だった。 日本の軍隊が君臨する人工国家で、軍事や官僚機構の屋台骨は、あるものに支えられていた。現代社会にもつながるその病根とは――。 近年の研究成果や専門家への取材に基づき、歴史の闇に潜んでいたその内実を伝える。 朝日新聞と人気漫画「満州アヘンスクワッド」がコラボ。朝日新聞が所蔵する当時の写真の一部を、研究者の考証と最新技術でカラー化して紹介する。 英語版を公開しました English version released 満州アヘンスクワッドとは 歴史写真のカラー化について 現在の日本の3倍に相当する満州の広大な領域は、清を築いた満州族の郷里だった。明治維新を機に急速な欧米化を遂げた日本は、日露戦争にかろうじて勝利を収め、1905年、この地の鉄道およびそ
政治的な自由を求めてデモ隊の抗議活動が続いている香港が、「特別行政区」という地位を与えられた背景には、特殊な歴史があった。(ILLUSTRATION BY ADOLFO ARRANZ, NATIONAL GEOGRAPHIC) 人口700万人を超える大都市、香港で、政治と個人の自由を求める大規模デモが長期化している。だが、香港で抗議運動が起こるのはこれが初めてではない。香港の歴史は、急速な発展と政治的混迷、そして変化を求める運動の連続だった。25点のイラストを使って、香港史における重大な転換点を振り返ってみた。 1800年以前 中国が清の時代、小さな香港島は、辺境にあるのどかな漁村だった。ここへ英国の商人がインドから不法にアヘンを持ち込み、清の茶葉や絹、陶器などと交換した。後の激しい貿易戦争の火種は、こうして植え付けられた。やがて、清でアヘン中毒が深刻な問題となり、1839年には1000万
<合成オピオイド「フェンタニル」が多くのアメリカ人の命を奪っているが、その90%以上が中国から来ているとされる> 先日、米政治専門のザ・ヒル紙が、こんな記事を掲載して話題になっている。「アメリカ人18~45歳の死因のトップが、心臓疾患や癌、自動車事故、新型コロナなどではなく、フェンタニルだと知ったら驚く人もいるだろう」 ■【動画】米国における薬物の過剰摂取による死者数と、そのなかでフェンタニルが占める割合は? フェンタニルとは非常に強力な鎮痛剤で、モルヒネの50~100倍の効果があるという。フェンタニルとは合成オピオイドのことだが、オピオイドは、けしの実からから採取される有機化合物とそこから生成される化合物の総称だ。 これが以前からアメリカで蔓延しており、現在も社会問題となっている。加えて、記事では「アメリカで発見される違法なフェンタニルのうち90%以上が中国から来ている」とし、中国がアメ
江戸時代の津軽地方では、アヘン(阿芙蓉)の原材料であるケシが政策的に栽培されていた。弘前藩「御国日記」には栽培地や栽培に関わる医師名が記されており、「御用格」にはアヘンを用いた漢方薬「一粒金丹(いちりゅうきんたん)」の記事が多数見られる。 服用すると気分が良くなる、疲れが取れる、熱が下がる、下痢が止まるなど評判は上々だったが、当初は津軽家の関係者に下賜される秘薬だった。家中の者はかなりの確度で入手できたので、家族や親戚のための願い出も多く、公用旅行の場合は優先的に認められた。 藩外の者でも、藩米の輸送や販売を任せたり、借金を申し入れたりしていた商人などには下賜された。後には民間への販売も行われ、例えば文政年間(1818~29年)には、江戸の長崎屋(常盤橋門前)や万屋(小石川春日)が藩公認の「売弘所」となっていたことが確認できる。
ブリンケン米国務長官が13日、中国外交担当トップ王毅政治局員と会談した。 テーマの一つが中国産の「フェンタニル」。米国で社会問題となっている強力な麻薬だ。 米中対立が深刻化する中、「21世紀版アヘン戦争」とも言われる事態となっている。 (藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー) ブリンケン米国務長官は7月13日、訪問先のインドネシアで中国外交担当トップの王毅政治局員と会談した。ブリンケン氏は今年6月中旬、米国務長官として約5年ぶりに中国を訪問した際にも王氏と会っており、米国外交トップの会談は2カ月連続だ。 バイデン政権はこのところ中国との対話に意欲的だ。 中国とのさらなる関係悪化を防ぐため、対話を制度化し、両国の衝突を回避できる「ガードレール」を設けようとしていると言われている。筆者は「米国は中国と緊急に協議しなければならない事情があるのではないか」と考えている。 中国外交部は
国連薬物犯罪事務所(UNODC)は5日、アヘンの最大製造国アフガニスタンで、今年のアヘンの推定製造量が約95%減少したと発表した。タリバン暫定政権が2022年4月に麻薬禁止政策を実施したことによる影響であるという。アフガン産のアヘン推定製造量は2022年に世界の約80%を占めていた。昨年の製造量は6200トンだったが今年は333トンに減少したとのこと(UNODC発表、共同通信)。 全土でアヘンの原料となるケシの栽培面積が急減し、小麦への転作が進んだとしている。この政策は食料不安を緩和する効果があったものの、小麦はケシよりも安価なため農家の収入が著しく減ったとしている。アフガニスタン国内ではアヘンの使用が多量に行われているが、科学的根拠に基づいた治療の選択肢は依然として限定されている。UNODCはアヘン剤使用障害を持つ人々が、潜在的にさらに有害な物質に頼るのを防ぐことや、農家がケシ栽培を再び
気候変動は肌感覚で捉えられ、論じられ、対応を迫られる問題になっている。日本においても「50年に一度の~」「観測史上最も~」と形容される災害が頻発し、状況の悪化を感じずにはいられない。私たちはライフスタイルを変えなければならない、という声も聞かれる。そんな中、「資本主義が地球を壊している」「資本主義と決別を」と主張し、斬新な提案を示す思想家がいる。国際的なマルクス研究の新鋭・斎藤幸平氏だ。脱成長を目指しても、豊かな経済システムは可能だと彼は断言する。そんなシステムが本当にあるのか、実現できるのか、そしてそれが私たちの生活や労働にどう関わるのか、お話を伺った。(取材・文/正木伸城) SDGsは「大衆のアヘン」である ――いま、気候変動が切迫した問題として捉えられ、SDGs(=持続可能な開発目標)が注目を集めています。日本でも遅まきながら話題になってきました。そこに斎藤幸平さんが、かのカール・マ
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ホーム ニュース 中国国営紙がゲームを「精神的アヘン」と呼んだことで、なぜ中国大手ゲーム会社の株が急落したのか。IT・教育産業を直撃した取り締まり事例の数々 今月8月3日、中国の新華社通信系列の国営紙である経済参考報から「精神的アヘンが数千億人民幣の産業に成長した」というタイトルの記事が公開された。この記事では中国のゲーム産業を、中国の青少年をゲームに惑溺させるための「精神的なアヘン」と称した上、「どんな産業・スポーツも、若い世代を滅ぼす対価によって発展してはいけない」とeスポーツ事業も含めて批判し、「厳しく処罰する必要がある」と呼びかけている。中国の機関紙とも呼べる新聞が、ゲームを強く批判する声明を出したのだ。 【UPDATE 2021/08/10 20:20】冒頭説明を修正。 経済参考報の記事で使われている画像。子どもたちがゲームの悪影響を受けているような印象をもたせる。 公開されるや
意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ) 作者:マイケル・ポーラン亜紀書房Amazonこの『意識をゆさぶる植物』は『幻覚剤は役に立つのか』などで知られる作家マイケル・ポーランの最新作で、副題に入っているようにアヘン、カフェイン、メスカリンといった植物由来の薬物の可能性を実体験も合わせて追求していく一冊だ。 前著『幻覚剤は役に立つのか』はLSDやサイロシビンなど、一般的に幻覚剤と呼ばれるものが人間に害だけではなく利益をもたらす側面もあるのではないかと主張し、実際に自分でもその効果を体験していく一冊だった。次々と幻覚剤を試してラリっていく体験談とその筆致は愉快で、同時にそれがどのような作用を脳に、人体にもたらすのかという化学的な説明も明快でわかりやすく、傑作といえる内容であった。 本作(『意識をゆさぶる植物』)もその路線を踏襲し
コミックDAYSにて4月9日から連載がスタートし、大きな話題を呼んでいる『満州アヘンスクワッド』。そのコミックス第1巻が8月11日に発売となる。発売を記念し、原作担当の門馬司さんと漫画担当の鹿子さんに、2人の担当編集を交えたスペシャル対談を実施した。 激動の満州と、禁断の麻薬“阿片”を巡るスリリングなクライムサスペンスはいかに生まれ、どのように描かれているのだろうか。 原作ネームを読んで「これは凄いぞ!」と… ──最初に、門馬さんと鹿子さんのプロフィールをお聞かせください。 門馬司: 『満州アヘンスクワッド』でネーム原作を担当しています。もともとは普通に一人で描く作家だったんですけど、2年半くらい前からネーム原作として活動しています。 編集白木: 門馬先生には『満州アヘンスクワッド』だけでなく、マガポケで『ストーカー行為がバレて人生終了男』(原作:門馬司/漫画:芥瀬良せら)、ヤンマガで『首
3日の香港株式市場で、テンセント・ホールディングス(騰訊)株が一時11%近く急落。国営新華社通信系の国営紙・経済参考報はゲームを「精神的アヘン」「電子薬物」だと批判し、テンセントはその後、12歳未満の子供に対する全面的なゲーム禁止に踏み切る可能性を示した。 経済参考報による今回の厳しいゲーム批判などで、電子商取引や配車、オンライン教育産業を締め付けてきた中国政府がオンラインエンターテインメントを次の標的にするとの懸念が広がっている。 テンセントは下げをやや縮小したものの、6.1%安で引けた。ゲーム事業を手掛けるネットイース(網易)やXDの株価も急落。東京市場でもネクソンが6.5%安で取引を終了。一時は下げが10%を超えていた。 中国はオンラインゲームの有害性に警戒を-経済参考報 経済参考報はある生徒の証言として、テンセントで最も人気を集めるゲームの1つ、「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)
貧困や紛争、気候変動、教育の不平等にジェンダー差別など、世界を取り巻く問題は複雑化している。これらの問題を解決して、地球上の“誰ひとりも取り残さない”ためにできることをしよう──そんな大義を掲げて地球規模で大きなうねりとなっているのがSDGs(持続可能な開発目標)だ。しかしその行動は、果たして本当に世界のためになっているのだろうか。いま注目を集める気鋭の経済思想家・斎藤幸平さんが「SDGsの誤謬」を見抜く。【全3回の第1回】 【表】SDGsが掲げる17の目標 「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「ジェンダー平等を実現しよう」「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」「働きがいも経済成長も」「気候変動に具体的な対策を」──これらは17項目からなるSDGsの目標の一部だ。2015年の国連サミットで採択され、経済を持続可能な形で発展させてよりよい世界を実現することを目指している。 SDGsの前身と
2019年12月25日 14時50分 リンクをコピーする by ライブドアニュース編集部 ざっくり言うと の麺料理店で、スープにアヘンの原料を混入したとして店主が逮捕された 警察が薬物の陽性反応が出た男性を事情聴取したところ、疑惑が浮上したそう 店主は「常連客を増やし店を繁盛させようと思った」と話しているという ・広西チワン族自治区の麺料理店で、スープにケシガラの粉末を加えていた店主が逮捕された。店主は「常連客を増やし店を繁盛させようと思った」と話している。『三立新聞網』『NOWnews』などが伝えた。 事件があったのは、広西チワン族自治区の柳州市。警察が薬物の検問を行っていたところ、ある男性から陽性反応が出た。男性は警察署に連行され事情聴取を受けたが、これまでに薬物を使用したことは一度もないと主張し、その日の行動を振り返って麺料理店で「螺蛳粉」(タニシ麺)を食べたことを話した。 タニシ麺
アヘンが入っていたとされる、イスラエル・イェフドの墓地遺跡で発見された紀元前14世紀のつぼ。中東エルサレムのイスラエル考古学庁にて(2022年9月20日撮影)。(c)AHMAD GHARABLI / AFP 【9月21日 AFP】イスラエルで発見された約3500年前の陶製のつぼなどからアヘンの残留物が検出された。調査チームが20日、発表した。古代の葬儀でアヘンが使われていたとする説を裏付けるものだとしている。 中部イェフド(Yehud)で青銅器時代後期の墓が複数発見されたことを受け、イスラエル考古学庁(IAA)とワイズマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)は2012年から共同で調査を行ってきた。 発掘現場からは紀元前14世紀ごろのケシの花をかたどった陶器が複数見つかった。アヘンはケシから作られることから、これらの器にアヘンが入れられていたか調べたところ
(CNN) ミャンマーのアヘン生産量がアフガニスタンを抜き、世界トップになったことが、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の新たな報告で分かった。 UNODCが発表した報告によると、ミャンマーの今年の生産量は1080トン。これに対してアフガンでは、イスラム主義勢力タリバンの暫定政権が昨年4月にアヘンの原料であるケシの栽培を禁止し、生産量が95%減少した。 一方ミャンマーでは、アヘン生産量が3年連続で増加し、今年は前年比36%増だった。同国の「アヘン経済」は10億~25億ドル(約1460億~約3640億円)の規模となり、国内総生産の2~4%を占めている。 同国は数十年前から麻薬生産国として知られてきた。2021年のクーデター後はさらに、国内で続く経済停滞や政情不安を背景にアヘン生産が急増している。昨年末には内戦の激化やインフレ、生活苦の影響で栽培農家が増えた。 今後特に北東部シャン州など、紛争が
麻薬の一種・アヘンの原料となる「ケシ」が4月、静岡県で3500株以上も自生しているのが見つかった。見つかった品種は愛知県にゆかりがあるとされている。 身近に「アヘンの原料」が大量繁殖…捜査員“こんなに多いのは初めて” 愛知県豊橋市と隣接する静岡県湖西市で、4月13日、風に揺られる薄紫の花があった。畑の角や道に沿うようにして咲いているその花は、「ケシ」の一種「アツミゲシ」だ。 この記事の画像(10枚) 一見、どこにでも咲いていそうな花に見えるが、実は麻薬「アヘン」の原料になる。こちらのケシは自生したものだが、栽培することは法律で禁止されているのだ。 禁止されているのは、アツミゲシの「セティゲルム種」のほか、「ソムニフェルム種」などだ。花の色には赤・紫・白などがあり、花びらも八重咲きのものや一重咲きものなど様々だ。 近所に住む男性A: 麻薬のアレになるやつだろ?種がこぼれるもんで、どんどん増え
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[Tyler Cowen, “The economic consequences of the Opium War,” Marginal Revolution, October 25, 2021] ――という NBER ワーキングペーパーが新しく出てる.著者は Wolfgang Keller & Caroline H. Shiue だ.アブストラクトを引用しよう: 本稿では,アヘン戦争(1839-42年)以後に西洋が中国に進出した経済的帰結を検討する.この時期に,西洋諸国による植民の影響が数十にのぼるいわゆる条約港に及びはじめている.本研究では,19世紀のあいだに中国の資本市場の性質に劇的な好転が生じていたことを立証する.アヘン戦争の前には沿岸部各地の都市は比較的に重要度が小さかった.それに対して,西洋の条約港システムによって,沿岸地域と国際貿易に注力し西洋の利益にかなった商売に従事する経
中国・広東省深センにある騰訊控股(テンセント)本社(2021年5月26日撮影、資料写真)。(c)NOEL CELIS / AFP 【8月3日 AFP】中国で3日、オンラインゲームを国営メディアが「精神のアヘン」と批判し、騰訊控股(テンセント、Tencent)などゲーム大手の株価が急落した。これを受けてテンセントは、12歳未満の利用禁止を検討しているという。 国営新華社(Xinhua)系の経済参考報(Economic Information Daily)は、子どものオンラインゲーム中毒の「まん延」に苦言を呈する記事を掲載した。 この中で同紙は、「社会におけるゲームの有害性の認識が高まってきている。ゲームが『精神のアヘン』や『電子薬物』に例えられることも多い」と指摘。また「いかなる産業もスポーツも、一世代をむしばむような形で発展すべきではない」とする見解も引用した。 記事が公開された直後に、「
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というNBER論文が上がっている(昨年7月時点のWP)。原題は「Opiates of the Masses? Deaths of Despair and the Decline of American Religion」で、著者はTyler Giles(ウェルズリー大)、Daniel M. Hungerman(ノートルダム大)、Tamar Oostrom(オハイオ州立大)。 以下はその要旨。 In recent decades, death rates from poisonings, suicides, and alcoholic liver disease have dramatically increased in the United States. We show that these "deaths of despair" began to increase relative
今から90年前の1931年(昭和6年)9月18日午後10時20分頃、中華民国奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖付近の南満洲鉄道線路上で爆発が起きた。これを端として関東軍は“満州”を占領――「満州事変」である。 当時、夢の国とされていた“満州国”では何が起こっていたのか…ノンフィクションライター・魚住昭氏が『週刊現代』2016年8月13日号に寄稿した 『岸信介とアヘン王の関係を追う〜密売で儲けた「数兆円」はどこに消えた?』を再録する。 意外にも平凡な「アヘン王」の風貌 千葉県市川市の江戸川沿いにある里見公園は、戦国時代に里見一族が北条氏と戦って敗れた古戦場として知られている。 土曜の午後、その里見公園の隣にある総寧寺を訪ねた。上海の「阿片王」といわれた里見甫の墓があると聞いたからだ。 人気のない境内の奥の墓地に入って探したら、すぐ見つかった。こぢんまりした墓石に「里見家之霊位」と刻まれ、側面には
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アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織のタリバンが国内でのケシの栽培を禁止するよう呼びかけたため、ケシを材料とする麻薬のアヘンの価格が約3倍に高騰していると報じられました。 Taliban Move to Ban Opium Production in Afghanistan - WSJ https://www.wsj.com/articles/taliban-afghanistan-heroin-ban-opium-production-11630181316 海外紙のウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、タリバンは国内の農民に対し、「ケシの栽培を禁止する」と伝え始めているとのこと。そして、タリバンからの告知により生産が先行き不透明となった結果、ケシが栽培されるカンダハール州やウルーズガーン州などで、アヘンの価格が1kg当たり約70ドル(約7700円)から約200ドル
アヘン生産量95%減 タリバン禁止令、農家に影響―アフガン 2023年11月07日20時30分 アフガニスタン南部カンダハル州で、ケシ畑を摘発するイスラム主義組織タリバンのメンバー=4月11日(AFP時事) 【ニューデリー時事】アフガニスタンにおけるアヘンの生産量が昨年から今年にかけて推定95%減少したことが、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告書で明らかになった。イスラム主義組織タリバン暫定政権が昨年4月にアヘンの原料であるケシの栽培を禁じた影響という。 ミャンマーでケシ栽培急増 背景に政変後の経済混乱―国連 アフガンはかつてアヘンやヘロインといった麻薬の世界最大の供給地として知られた。5日に公表された報告書によると、全土のケシ栽培面積は昨年の23万3000ヘクタールから今年は1万800ヘクタールに減少。これに伴い、アヘンの生産量が昨年の6200トンから今年は333トンに激減した。 暫
『アヘン王国潜入記』 高野 秀行 (著) 講談社文庫概要ミャンマーの北部に位置し、反政府ゲリラの支配区であるワ州。1995年、アヘンの栽培で成りたち、常に政治的緊張にあるこの地へ単身7か月、種まきから収穫までのケシ栽培に従事した著者が見た麻薬生産を綴る。村での生活、そして実際にアヘンを使用するなど、とことん現地に入り込んだ衝撃のルポルタージュ。 少数民族が多数存在し、統治するのが困難とされるミャンマーと中国の国境付近に存在するワ州。かつては首狩りの習慣を持っていた彼らは、接してみれば穏やかでとても礼儀正しかった。時おり、政府と対立する立場にあることを匂わせる出来事が起こりつつも、著者はケシ栽培の手伝いに励み、住民たちとの信頼関係を築きます。 まとめワ州の人々の生きていく力、宗教や教育が及ばないための素直さに驚かされます。麻薬の産地、栽培方法、使った結果。知らなかった世界の事情を教えてくれ
今日も草ネタ。 先日ちょっと調べ物をしていたら、とても気になる記述を発見しました。それは「ワイルドレタスという植物が、アヘンの代わりに用いられたことがある」というもの。 アヘンはご存じの通り大変古い歴史を持つ麻薬で、戦争の原因にもなったことがあり、今でもなおその密造、およびそれが生み出すブラックマネーが世界的な問題となっています。 しかしその一方でアヘンがもたらす向精神作用、特に鎮静、鎮痛、催眠などの効果は人類にとって非常に役立つものです。アヘンからつくられるモルヒネは麻薬でもあるものの医療薬としても利用されるのですが、それをさらに精製してつくられるヘロインは麻薬の中でも最悪に近い存在。言ってみればアヘンの中には天使と悪魔が同居しているのです。 まあアヘンの話は置いといて、そのワイルドレタスなる野草には、アヘンと同様の効能を持つ「ラクチュコピクリン」「ラクチュシン」という成分が豊富に含まれ
『福井村沿革誌』(松木 俊正/著 1911) 三十丁 「第拾五 人事の中の奇人」に二反長音蔵について記述あり。 『二反長音蔵・アヘン関係資料 十五年戦争極秘資料集 補完11』(倉橋 正直/編・解説 不二出版 1999) 『大日本産業事蹟 1』(大林 雄也 古島 敏雄/著 平凡社 1987)P130 「第一編 農牧林業及び物産の第六各用草属植物、十六 摂津市罌粟栽培阿片製造の沿革」の中に「福井村」の記述あり。 『日本の阿片王 ニ反長音蔵とその時代』(倉橋 正直/著 共栄書房 2002) ケシ栽培の普及に努めたニ反長音蔵についてまとめた本。音蔵は福井村出身。 『新修茨木市史 年報 第9号』(茨木市 2011)P13-30 二宮美鈴による、史料紹介・「大正期から戦後の罌粟栽培・阿片製造に関する史料」があり。 『現代史資料 続12 阿片問題』(岡田芳政・多田井喜生・高橋正衛/解説 みすず書房 19
「伊勢谷友介容疑者、逮捕――」 9月に報じられた演技派俳優逮捕の一報は、日本中に衝撃を与えた。だが、近年は伊勢谷容疑者の前にも芸能界からはピエール瀧、沢尻エリカ、槇原敬之など多くの人気タレントたちが違法薬物で逮捕されている。 また、スポーツ界からも10月に入って東海大学野球部の学生が大麻を使用した疑いで、部の活動が無期限停止になるなど、その影響は芸能界に留まらない。 翻って、不思議なもので、フィクションの世界では海外ドラマの「ブレイキング・バッド」や「ナルコス」をはじめ、違法薬物をテーマにした作品はいつの時代も人気を博している。 ではなぜ人は関われば大きな代償を払うことを分かっていながら、これほど薬物の物語に熱狂するのだろうか――。現在、講談社コミックDAYSで連載中の人気作『満州アヘンスクワッド』の原作者・門馬司さんに話を聞いた。 ◆ ◆ ◆ 1931年に起きた満州事変から90年が経とう
中国では近年、若者がゲームに熱中しすぎることが社会的に問題視されており、未成年のプレイ時間を制限する目的で「実名検証システム」が導入されるなどの規制が行われています。2021年8月3日には、中国国営の経済専門紙である経済参考報が「ゲームは精神的なアヘン」と批判した記事を公開したことを受け、テンセントやネットイース、XDなどの株価が急落する事態となりました。 China gaming shares dive after 'spiritual opium' warning https://techxplore.com/news/2021-08-china-gaming-spiritual-opium.html China's Tencent limits gaming for minors after media outcry https://techxplore.com/news/2021-
先日、久しぶりに連絡を取った知人から〈たまにブログ見てるよ〉と言われ、続けて〈実は俺、高野秀行さんに憧れてノンフィクション作家をめざしていた時期があるんだよね〉と打ち明けられました。マジかよ……。 その知人男性を仮にN君としておきましょう。私から見たN君は現代社会にバッチリ適合し、合理的で隙がなく、仕事も家族サービスもテキパキこなす人物。N君の爪の垢を煎じて、ツレに毎日2リットル程度飲ませたいレヴェルです。 そんなN君が、こともあろうに高野秀行さんみたいな作家をめざしていたとは。私の知り合いの中ではけっこう稀なまともキャラのN君。しかし、この件を受けてイメージがガラリと変わりました。 高野秀行さんを社会不適合者だと言いたいんじゃないんです。第一、本気で協調性のない人にあんな取材はできません。ただ、少なくとも高野さんがまともじゃないことは誰の目にも明らか。 私も高野さんの作品は大好きですが、
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