大阪市平野区のマンションで2002年、主婦森まゆみさん=当時(28)=と長男瞳真ちゃん=同(1)=が殺害された事件で、殺人などの罪に問われたまゆみさんの元義父で大阪刑務所刑務官森健充被告(52)=休職中=の上告審判決で、最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長=退官、堀籠幸男裁判官代読)は27日、「審理が尽くされておらず、事実誤認の疑いがある」として、一審の無期懲役と二審の死刑判決を破棄、審理を大阪地裁に差し戻した。 最高裁が事実誤認を理由に死刑判決を破棄したのは、石川県で元タクシー運転手が殺害された「山中事件」以来21年ぶりで、極めて異例。差し戻し審で無罪が言い渡される可能性が出てきた。森被告は一貫して否認。犯行と結び付ける直接証拠がなく、検察側が積み上げた状況証拠の評価が最大の争点となった。 【関連ニュース】 ・ 殺人の時効撤廃=改正刑訴法が成立へ ・ 中国の死刑に干渉せず=政府答弁