東京商工リサーチ宇都宮支店によると、栃木県日光市の湯西川温泉で300年近い歴史を持つ「伴久ホテル」(客室数109、伴久盛社長)が26日までに宇都宮地裁に破産申請し、手続き開始決定を受けた。負債総額は約30億円。不況に東日本大震災と福島第1原発事故に伴う風評被害が追い打ちをかけ、4月はほぼ「開店休業状態」だったという。 【観光産業に打撃】東日本大震災:自粛は2次災害 日光などの観光業者悲鳴 同ホテルは平家の落人の末裔(まつえい)、伴家が1718年に創業したという。民間旅行関連会社の全国調査でも常に上位にある人気ホテルで、同支店によると、ピーク時の95〜96年には年間20億円台の売り上げを計上した。 震災で施設の被害はなかったが、福島県に近いため、原発事故を理由にした予約キャンセルが続出した。 同支店は「日光や那須など県内のホテルはどこも厳しい状況」とし、今後も倒産が続く可能性を指摘し