≪民主政権下の8・15≫ 明日は民主党政権になって初の終戦記念日である。しかしこの政権の「国の守り」への意識の希薄さを考えると、暗澹(あんたん)たる気持ちでこの日を迎えざるをえない。 今年5月初め、鳩山由紀夫前首相は沖縄を訪問した。米軍普天間飛行場の移設問題で、自身が公言していた「最低でも県外」への移設断念を地元関係者に伝えるためだった。このとき記者団に語った断念の理由にはあきれた。 「学べば学ぶほど(海兵隊が)連携し抑止力を維持していることがわかった」 米海兵隊は沖縄に駐留するがために、日本だけでなく朝鮮半島や台湾海峡などでの有事のさい、即時に対応できる。その地理的条件が極東の平和のための抑止力になっている。そのことがやっとわかったというのだ。 だが沖縄米軍の抑止力はもとより日米安保条約運用の核である。それを日本の首相が就任時にはわかっていなかった。実に寒々とした話で、そもそも首相となる