福島原発事故における被ばく対策の問題・現況を憂う――西尾正道・北海道がんセンター院長(放射線治療科)(1) - 11/06/27 | 10:45 ・この記事は、医療ガバナンス学会にて6月20、21日に発表された記事を転載したものです。 はじめに 2011年3月11日は日本の歴史上で忘れられない日付となった。大地震とそれによる津波被害だけでも未曾有の事態であるが、福島原子力発電所の全電源喪失による事態により原発の「安全神話」は崩壊し、今なお震災復興や事故対策の目途が立たない状況が続いている。関係者は全力で対応しているが、情報開示不足や指揮の不手際や事故収拾に向けた不適切な対応もあり、今後の健康被害が憂慮されている。 原発事故による放射性物質の飛散が続く中、地域住民は通常のバックグランド以上の被ばくを余儀なくされて生活している。私は事故直後に風評被害を避けるために、3月14日に『緊急被