ハノイでの講義の終盤に、漢字圏で使われている漢語の比較についても話してみた。 「注意」は、4か国で相似している。それぞれ発音してみると、笑いが聞こえる。 「豆腐」は、ベトナム語では漢越語で「ダウフー」のようにいう。日本語の漢語「とうふ」と中国語の「トウフ」は仮名で書くと同じに見えるが、韓国では漢字(ハンチャ)語で「トゥブ」、やや違いが目立つ。英語になったtofuは、中国からか、あるいは日本からだろうか。 (クリックで周辺も表示) そのまま漢字に直すと「手続航空」。航空の手続き。「てつづき」という和語が「手続」という漢字のまま中国に入って字音語へと変わり、それがさらにベトナムでベトナム漢字音に変換されて、すっかり定着している。韓国語にも「手続」が入り、「スソク」となった。 「豆腐」は、日本では、腐るという字を避けて「豆富」になってきた、と言うと、「ア~」と声を上げ、笑みをこぼし納得している。