政府はなぜ、水道事業の民営化を後押しするのか。22日に閉会した国会で水道法改正案は成立せず、継続審議になったが、秋の臨時国会で再び審議される見通しだ。実は、民営化は海外で失敗例が相次いでいる。本当に必要なのか検証した。【井田純】 水道は日々の暮らしに必要不可欠なインフラだ。まずは改正案について整理したい。 水道事業は自治体や広域事務組合といった公的機関が担っているが、水需要の減少、施設の老朽化など課題は山積する。そこで、水道の基盤を強化するため、より多くの市町村による広域連携を図る仕組みが改正案に盛り込まれている。