去る3月の千葉県知事選挙に立候補した森田健作氏は、3000円だったアクアライン通行料金を800円にすることを選挙公約の一つに掲げて当選し、その公約が8月1日に実現した。全くの驚きだ。また8月30日の衆議院総選挙でも、高速道路料金は政権争いのための国民の人気取り政策の対象になった。民主党はマニフェストに「高速道路の原則無料化」をはっきりと掲げ、対抗する自民党も「高速道路の利便性向上」のための「料金政策」を行うとし、麻生内閣で割引き「1000円ポッキリ」を実施している。ともに十分な思慮を欠いた愚策だ。 さしあたり民主党は段階的無料化、自民党は割引き政策という違いはあるが、両党とも高速道路も一般道路と同じ道路として基本的には無料であるべきだという立場に立っていることは同じである。そしてそもそも高速料金とは何か、また高速道路は無料であるべきかという根本問題について全く考えていない。 私は20年以上