工場(fabrication facility)を持たずに製造業を営む「ファブレス」。WAKAZEは、そんなファブレスで日本酒を開発・販売するベンチャー企業だ。同社代表取締役社長の稲川琢磨氏は、「当社の業務は日本酒のレシピ開発がメイン」と話す。 創立は2016年1月。東京を本拠地として、製品である日本酒の酒質の設計や、パッケージデザインなどのブランドのコントロールを手掛ける。日本酒の醸造は山形県鶴岡市と酒田市、千葉県いすみ市にそれぞれある老舗の酒蔵に委託している。 ベンチャー企業は販売チャネルの確保が課題の1つだが、インターネット販売以外に、同社の酒は2019年2月時点では取扱店舗が国内で約130店舗ある。海外にも販路を広げ、中国やフランス、シンガポールの百貨店など5店舗で販売されている。ファブレスという酒造業界では珍しいスタイルながら、着実に実績を伸ばしている。 ユニークなのは事業モデル