ジャズ評論家の柳樂光隆氏が監修する、ジャズの新潮流についてのガイドブック『Jazz The New Chapter』シリーズの4作目となる『Jazz The New Chapter4』が、3月8日に刊行された。「アメリカとジャズ」に焦点を当てた本書は、ゴスペルやネオソウル、ブラジル音楽といった他ジャンルとジャズの“越境”や、改めて鍵盤の持つ意味を振り返る特集、フィラデルフィアという街の持つ特異性など、様々な視点による分析が盛り込まれている。今回リアルサウンドでは、柳樂氏とレコードショップの元同僚という関係であり、ブラックミュージックやクラブミュージックにも見識のある批評家・矢野利裕氏による対談を行なった。前編では、改めて考える『Jazz The New Chapter』らしさや、同シリーズにおける「モダンジャズ」の位置付けなど、同著には収録されていない柳樂氏のスタンスが次々と浮かび上がった