Solangeの『A Seat at the Table 』を聴き直してみたら、このアルバムはソランジュの歌がすごいんじゃないかと気付いた。 起伏と抑揚、そして感情を抑えた歌がじわじわ来る。ミニー・リパートンの「Lovin You」の歌唱をキュートさを残したまま感情部分をダークに反転させたようなハイトーンボーカルが時折聴こえてくるんだけど、それに痺れまくった。これ、名唱だと思う。 ダイナミズムが極力省かれた歌はレイドバックしているわけでもないからソウルフルでもジャジーでもなくて、むしろニック・ドレイクやホセ・ゴンザレスみたいなきっちりしてて冷たくて質感だけど、ソランジェ自身がもともと持っているゴスペルやソウル由来の声や節回しで、どうしてもR&Bが滲み出てしまっているのがいい。 それは、ソウルとも違うがジャズでもないし、フォークでもないニューソウル以後のヴォーカリストたちとも通じるところはあ
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