京都市南区の菓子製造会社の工場から漂う甘いにおいなどで苦痛を受けたとして、周辺住民17人が935万円の損害賠償を求めた訴訟が大阪高裁(永井ユタカ裁判長)で和解した。昨年9月の一審・京都地裁は同社に約280万円の支払いを命じたが、解決金100万円を支払う内容で合意したという。 和解は14日付。一審判決によると、同社は2005年2月から08年6月の移転まで同工場で菓子を製造した。判決は菓子特有の甘いにおいと騒音について「住民の受忍限度を超えていた」と判断。同社が控訴していた。 住民側の代理人の弁護士は「住民に迷惑がかかったことを高裁が受け止めてくれた」と話す。一方、同社側は「賠償すべきにおいや騒音が発生したと認める和解内容ではなく、トラブルの早期解決のために解決金を支払うことにした」としている。(平賀拓哉)