和菓子に用いられる「小倉あん」の名前の由来とされる嵯峨野(京都市右京区)の小倉山近くで、京の老舗和菓子店が中心となって7年がかりで最高級の小豆「小倉大納言」を開発した。 今秋には1トンの種子豆の収穫を予定。耕作を希望する農家に配り、本格「小倉あん」の普及を目指す。 伝承では、平安初期、空海が中国から小豆を持ち帰り、小倉山周辺で栽培が始まったとされる。その後、菓子職人の手によって小豆はあんこに加工されるようになり、栽培地も次第に亀岡市を始め丹波地方に移っていったという。 小倉あんの“復活”計画は、「井筒八ッ橋本舗」(東山区)会長の津田佐兵衛さん(87)が発案し、小豆・黒豆専門店「北尾商事」(下京区)店主の北尾陽(あきら)さん(62)らの協力を得て、2005年から取り組んできた。 津田さんらは現在、京都府亀岡市で栽培されている「馬路大納言」が、小倉山周辺から伝わった小豆の子孫と推定。これを観光