書名を見たとたん、「うわっ、やられた!」と思った。坂口恭平『独立国家のつくりかた』のことだ。 10年くらい前に、これと同じタイトルの本を考えて、資料を集めたことがあった。しかしけっきょくうまくいかず、企画を放棄してしまった。 国家というのは、一般に以下の3つの要素が必要とされている。 ①領土 ②国民 ③主権 このうち領土と国民はなんとかなったとしても、主権の獲得はきわめて困難だ。主権は近代国家のインナーサークルの既得権で、アメリカなどの大国が承認し、国連の議決を経て、インナーサークルの正規メンバーにならなければ手に入らないのだ。 そうはいっても、「国家をつくる」という発想は魅力的だ。私が当時調べたなかでは、次の3つのプロジェクトに想像力を刺激された。 ①シーランド公国(Principality of Sealand) シーランド公国の“領土”は第二次世界大戦時にイギリスが北海に建設した対空
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