松食い虫の被害が全国に広がる中、県森林技術センター(秋田市河辺戸島)が松食い虫に強い「スーパークロマツ」を見つけ出した。20年越しの研究で、県では初めての成果。日本海の強風から秋田の海岸線を守ってきた松林の再生に役立つと期待される。 乾燥や海風に強いクロマツは、防風・防砂林として県内の海岸沿いに植えられてきた。県は枯れた松を切り倒したり、薬剤で虫を駆除したりして被害拡大防止に努めているが、費用負担は軽くない。県森林整備課によると、今年度の松食い虫防除予算は約2億6千万円になる。 松が赤茶色に枯れる松食い虫の被害は明治時代、九州で見つかったのが日本で最初とされている。その後、本州を徐々に北上し、県内では30年前、象潟町(現にかほ市)で初めて発生した。今では小坂町を除く市町村に被害が及ぶ。昨年度の被害量は約1万4千立方メートルになる。 松食い虫の正体は、体長1ミリほどの線虫(マツノザイ