長崎県対馬市中央部の浅茅(あそう)湾で、鹿が泳いでいる様子を対馬海上保安部の巡視艇の乗組員がカメラに収めた。 目撃したのは3日午前10時頃。湾の中央付近を首を上げて真っすぐ前を向いて泳いでいた。北側の岸まで約150メートルを5分ほどで泳いだといい、南側の岸から湾に入ったらしい。対馬だけに生息するツシマジカで、角がなく雌の成獣とみられる。 ツシマジカは1966年に県天然記念物に指定されたが、数が増えすぎて林木の食害が問題となり、2004年に指定が解除された。鹿の生態に詳しい北海道大の斎藤隆教授は「鹿は泳ぐのが上手。対馬は入り組んだ湾が多く、泳ぐのが習慣になっているのかもしれない」と話している。