夏の土用の丑の日(今年は27日)はウナギにとって「受難の日」だが、山口市徳地の奥に、昔からウナギを食べない風習が残っている集落がある。ウナギを食べなくなったことに起因する神舞奉納も続けている集落の住民は「食べる気がしない」と話す。 珍しい風習の集落は「やまぐちの棚田20選」に選ばれている徳地串地区の鯖。集落の一番奥に住む古老、奥邨剛さん(89)によると、昔、近くの杉河内村で大ウナギがとれた。夏場で喜ばれたが、大きすぎたので周辺の7カ村に分けられ、鯖村にも全戸に配られた。どの家も久しぶりの土用のウナギを食べたのは良かったが、その夜から腹痛を起こす人が続出し、3日後には7カ村に及び、半分近い村人が死んだ。 鯖村では、食べた大ウナギは山の大切な木を守る川の主で、神の使いだったのではと考え、造林の神様を祭る地元の三島神社へ村人全員がそろって参拝。神前で深くわび、「今後は絶対にウナギを食べない」と約