・ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗 「「日本人の一般的な感性として、亡くなった人をムチ打つようなことは、言ってはいけないのかもしれません。でも、そのときばかりは、激しい怒りがこみ上げ、「あなたが私を排除したのは、こんなことが目的だったのですか」と、叔父の霊に問うてみたいと、切実に思いました。」」 円谷プロ創業者の円谷英二の孫で、6代目社長をつとめた円谷英明氏の悔恨の書。なぜ創業者一族は追放されたのか。キャラクターブームの終焉や著作権をめぐる訴訟もあったが、度重なるお家騒動が大きな原因であり、かなり赤裸々に内情が暴露されている部分もある。著者はワンマン経営の失敗と言っているが、同族経営の失敗の典型的な事例集になっている。 「我々円谷一族の末裔は、祖父が作った円谷プロの経営を全うすることができませんでした。現存する円谷プロとは、役員はおろか、資本(株式)も含め、いっさいの関わりを断た