ナショナルシアターでアイルランドの劇作家オリヴァー・ゴールドスミス作の18世紀の有名戯曲『負けるが勝ち』(She Stoops to Conquer)を見てきた。演出はジェイミー・ロイドで、この間のシェリダンの『悪口学校』(同じく18世紀、アイルランドの劇作家の作品)みたいにモダナイズはなく時代ものらしいセットや衣装をつかっているが、場面転換の際に歌や踊りが入るなどちょっと新しい工夫もある。 これはイギリスでは大変有名な喜劇で現在でもよく上演される数少ない18世紀の喜劇(同時代のもので今でも上演されるのは同じくアイリッシュの劇作家シェリダンのものくらい)なのだが、日本ではあまりなじみがない。舞台は18世紀のイギリスの名家ハードカッスル一族のおうち。ハードカッスル氏が娘のケイトを自宅に訪ねてくる婚約者候補チャールズ・マーロウに引き合わせようと計画するところから始まる。ところがケイトの父違いの