【カイロ前田英司】国連シリア停戦監視団のムード団長は15日、シリアの現状について「政府軍と反体制派の双方により暴力が激化している」と指摘。そのうえで「危険は許容範囲を超えつつある」と非武装での活動の限界に言及し、暴力の連鎖が続くなら監視団撤退の事態もあり得るとの認識を示唆した。シリアの首都ダマスカスで記者団に語った。 シリア各地では15日も戦闘が続き、反体制派組織「地域調整委員会」によると、北部アレッポや中部ホムスなどで計36人が死亡。ダマスカス郊外でも激しい銃撃があった。 AP通信によると、ムード団長は暴力激化の現状に不満を表明したうえで、「引き金から指を離し、シリア国民に前進の機会に恵まれる日が来ることを望んでいる」と述べた。一方、在英の反体制派組織「シリア人権観測所」は、監視団の活動について「停戦を順守させることではなく、殺害の目撃者になっている」と非難した。 シリアでは現在、約30