日本の大学生のトップ、東大生の希望進路先が大きく変貌している。法学部生に限ると、官僚や法曹といった王道に代わって、外資系のコンサルティング会社の人気が鰻上りだ。実力次第、年齢に関係なく働け、退職してもほかで通用する力を身に付けることができるからだろう。エリートはエリートとして遇してくれるところを求めるというわけだ。 一方、官僚も法曹も、さらには民間企業も、日本の組織は雑巾がけの時間が長い。エリートも徒弟扱いで、地道な現場仕事に一定期間、従事しなければならない。それが、昨今のエリート(エリートの卵)に忌避されているとしたら、早急に手を打つ必要があるのではないだろうか。 そのためには他国の事情を知る必要がある。教育と雇用システムの国際比較に詳しい国際経営学者の山内麻理氏に伺った。(ライター・荻野進介) ●フランス、ドイツ、アメリカのエリート選抜の仕組み ーー日本とは異なる欧米のエリート選抜の仕