コロナ禍は、子どものこころにも大きな影響を与えた。一方で思春期のうつ病は正確な診断が難しい上、専門医も少ないといった課題がある。 2022年の小中高校生の自殺者は514人と、過去最多を記録した。この514人を含む19歳までの1006人のうち、原因や動機がうつ病とされたのは79人だった。 国立成育医療研究センターが全国の子どもの心を診る医療機関を対象に調査をしたところ、「死にたい」と思う希死念慮の状態が外来で見られると診断された20歳未満の子どもは、22年度は214人いた。調査を開始した19年度と比べると、1・6倍に増えていた。 自殺を図った自殺企図者も22年度は110人と、19年度の1・7倍に増えていた。 21年末の別の調査によると、小学5年生~中学3年生に抑うつ症状が見られる場合に相談するかどうかを尋ねたところ、アンケートに回答した2325人のうち、相談せずに様子を見ると答えたのは小学生