昭和三十二年から翌三十三年にかけて制作された、千葉泰樹監督の『大番』四部作は、昭和の流行作家、獅子文六による経済小説の草分けともいうべき小説を原作とし、日本経済の動向について臨場感あふれる描写娯楽映画である。当時は「知らぬは恥」とまで言われたこの大ヒット作を、現在では果たしてどのくらいの人が知っているだろうか。 大番〈上〉 作者: 獅子文六出版社/メーカー: ゼネックス発売日: 1997/12/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る 大番〈下〉 作者: 獅子文六出版社/メーカー: ゼネックス発売日: 1997/12/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る 映画では加東大介演じる主人公赤羽丑之助、通称ギューちゃんは、色欲・食欲・金銭欲の権化のような人物で、四国の宇和島から一旗あげようと上京し、株屋の小僧として下働