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ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (29)

  • 共和主義ってなんだ?―稲葉振一郎『政治の理論』について− - 梶ピエールのブログ

    先週、京都でこの読書会があり、著者ご人も参加されるというので参加してきました。その後、このに関する考えや疑問点が徐々にまとまって来たので、ブログ記事の形で公表したいと思います。主催者並びに質問に誠実に答えていただいた稲葉氏に感謝します。 政治の理論 (中公叢書) 作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/01/17メディア: 単行この商品を含むブログ (16件) を見る ・・考えてみれば「共和主義」とは不思議な概念である。リベラリズムや「自由」に関するはたくさん出ているが、「共和主義」に関する書籍は専門書以外ではほとんどお目にかかることはない。「民主主義ってなんだ」、「立憲主義を守れ」という掛け声がデモで叫ばれることはあっても、「共和主義ってなんだ」という掛け声を私たち耳にすることはない。後で見るように、キャス・サンスティーンのような現代的な共和主義

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  • 必読・中国社会の新しい動き - 梶ピエールのブログ

    4月より深圳大学で在外研究中の伊藤亜聖さんによるニコ技深圳観察会参加記。中国経済に少しでも関心がある(ポジティブにであれネガティブにであれ)人は、絶対に読むべきだと思います。 https://aseiito.net/2017/04/09/shenzhen_2017_2/ https://aseiito.net/2017/04/11/shenzhen_2017_3/ https://aseiito.net/2017/04/12/shenzhen_2017_4/ https://aseiito.net/2017/04/12/shenzhen_2017_5/ https://aseiito.net/2017/04/13/shenzhen_2017_6/ https://aseiito.net/2017/04/15/shenzhen_2017_7/ 【4月14日追記】当初伊藤さんのブログ記事を紹介

    必読・中国社会の新しい動き - 梶ピエールのブログ
  • ジニ係数に関するヘンテコな言説 - 梶ピエールのブログ

    インターネットメディアのSYNODOSに、「中国の所得格差はどうなっているのか」という記事を寄稿しました。中国社会を語る際の「定番ネタ」の一つである所得格差の問題について、政府が公表しているジニ係数の変動、「灰色収入」の存在とその規模、国有/非国有部門間の賃金格差、などの観点から整理しています。 さて中国の所得格差については日でも関心が高い話題で、そのことはいいのですが、中にはかなりミスリーディングな紹介記事も見受けられます。例えば、少し前の『読売新聞』の記事です。オリジナルのリンクが切れているので「魚拓」を取っているサイトをリンクしておきます。 「中国で貧富の差拡大、ネット関連報道は次々削除 -読売新聞」 【上海=鈴木隆弘】23日付の中国紙・南方都市報によると、西南財経大学(四川省成都)の研究チームは、中国の全世帯の10%を占める富裕層が、全国の総資産の63・9%を所有しているとする「

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  • 習近平政権が恐れているものは何か。 - 梶ピエールのブログ

    変わる中国 「草の根」の現場を訪ねて ジャンル: ・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > ノンフィクション > その他ショップ: ぐるぐる王国 楽天市場店価格: 1,512円 著者の麻生さんよりご恵投頂きました。ありがとうございます。 「中国:新公民運動の中心・許志永氏に懲役4年 秩序騒乱罪『毎日新聞』2014年01月27日 北京市第1中級人民法院(地裁)は26日、中国で憲政の実現などを訴える「新公民運動」の中心的人物で、公共秩序騒乱罪に問われた著名活動家、許志永氏(40)に懲役4年を言い渡した。 新公民運動は中国憲法の範囲内で市民の権利擁護を求める動き。許氏の弁護士によると、公共秩序騒乱罪の最高刑は懲役5年。習近平政権下で、平和的な手段で民主活動を主導してきた許氏がどう裁かれるかが注目されていた。 起訴状などによると、許氏は12年から13年にかけ、出稼ぎ労働者の子が教育を受け

  • マルクスからカント、そしてヘーゲルへ - 梶ピエールのブログ

    経済大陸アフリカ (中公新書) 作者: 平野克己出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2013/01/24メディア: 新書購入: 34人 クリック: 844回この商品を含むブログ (31件) を見る すでにあちこちで高い評価を得ている書だが、個人的には「アフリカ問題を考えることは、これからの国際秩序のあり方について考えることだ」そんな感想をいだかせる内容の濃い啓蒙書だった。 現在のアフリカの経済成長といえば中国の経済援助や企業進出は切っても切り離せない関係にある。そんな中国の関与はアフリカ諸国にとって「ベストなものではないがベターである」というのが書を読んで得られた感想だ。確かに、中国アフリカ進出は完全に資源確保のためであって、何かご立派な理念がそこにあるわけではない。ただ、一方的に収奪しているわけではなく、間違いなく現地経済の成長に寄与している。その意味で中国アフリカ関与が「

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  • アイデンティティと「風評被害」 - 梶ピエールのブログ

    いまさら言うまでもないことだが、現在大震災による被害および原発事故で、生産者が深刻な状況に追い込まれている。 特に、物の放射能汚染に関する「風評被害」に関しては、関谷直人氏による問題点をコンパクトにまとめた良書(『風評被害 そのメカニズムを考える (光文社新書)』)が出ているほか、下記のウェブ記事で、経済学者の安田洋祐氏が情報の経済学を援用した風評被害に対する処方箋を提供している。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110817/222101/ もちろん、ここで指摘されていること、とくに生産者からの情報開示を進めるためにシグナリングのコスト=放射能汚染の計測にかかる費用を政府が負担すべきだ、という点は現実的にも非常に重要だと思う。ただ、この問題が深刻なのは必ずしも「情報の非対称性」が解消されればそれで解決される、というものでは

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  • 中国で強化される言論規制 - 梶ピエールのブログ

    が震災で大変な状況に陥っている間に、中国では政府による言論面での締め付けがハンパではなくなっているようだ。まず、これは震災の前、ちょうど「両会(全国人民代表大会と政治協商会議)」が開催されたころから、僕もかなりの数をフォローしていた中国からのtwitterユーザー(推友)からのツイートがめっきり少なくなり始めた。理由は、当局がVPNを通じたtwitterやfacebookへのアクセスの禁止に乗り出したからだ。この結果、文字通り筋金入りの反骨ネットユーザー以外はtwitterへのアクセス自体をあきらめたものと思える。この辺の事情については、以下の津上俊哉氏のブログ記事が詳しく伝えている通りである。 http://www.tsugami-workshop.jp/blog/index.php?categ=1&year=2011&month=3&id=1300645833 中国のネット環境では

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  • 2011年・中国経済の展望 - 梶ピエールのブログ

    あけましておめでとうございます。 昨年12月の共産党政治局会議、およびその後の中央経済工作会議で約二年ぶりに「適度に緩和的」な政策スタンスからの転換が打ち出され、そこから間髪を要れずに政策金利の引き上げが行われたことで、これから中国はインフレと高成長のバランスをどうとるのか、ということが改めて注目をあつめている。そこで、以下では新春らしく、簡単に今年の中国経済のマクロ的な展望を分析しておこう。 中国のマクロ政策を考える上でとても重要だと思われるのに、ほとんど言及されることがないのがCPIから生鮮料・エネルギーの上昇分を取り除いたコアCPI(日におけるいわゆる「コアコアCPI」)の動向である(上図の赤い折れ線。データはCEICより入手)。 これをみると、リーマンショック前、CPI(青い折れ線)のかなりの上昇が見られた状況の中でもコアCPIは1%を若干上回る水準でほとんど変動していないこと

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    walwal
    walwal 2011/01/05
    コアCPIはそんなに上昇してないのね。
  • ザ・ポリシー・ミックス - 梶ピエールの備忘録。

    『日経済新聞』5月22日付記事より。 【北京=高橋哲史】中国の国家発展改革委員会は21日、昨年11月に打ち出した総投資額4兆元(約55兆円)の景気刺激策について、4月末までの実施状況を発表した。低価格住宅を21万4000戸建設したほか、445キロの高速道路が完成した。中国政府が短期間に、大規模な公共投資を集中的に実施したことを裏付ける内容になっている。 4兆元のうち、中央政府が負担するのは1兆1800億元で、すでに2300億元を支出している。発展改革委は中央政府がこの資金で実施している事業の進ちょく状況を公表した。 それによると、4月末までに完成したのは農村道路2万キロ、農村部の送電網4万キロ強、空港の旅客ターミナル10万平方メートルなど。重点項目の1つである鉄道整備については「黒竜江省ハルビン―遼寧省大連」「湖北省武漢―広東省広州」「広西チワン族自治区南寧―広州」間などで建設が加速して

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  • 知らぬは恥―不況脱出を名作に学べ― - 梶ピエールのブログ

    昭和三十二年から翌三十三年にかけて制作された、千葉泰樹監督の『大番』四部作は、昭和の流行作家、獅子文六による経済小説の草分けともいうべき小説を原作とし、日経済の動向について臨場感あふれる描写娯楽映画である。当時は「知らぬは恥」とまで言われたこの大ヒット作を、現在では果たしてどのくらいの人が知っているだろうか。 大番〈上〉 作者: 獅子文六出版社/メーカー: ゼネックス発売日: 1997/12/01メディア: 単行 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る 大番〈下〉 作者: 獅子文六出版社/メーカー: ゼネックス発売日: 1997/12/01メディア: 単行 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る 映画では加東大介演じる主人公赤羽丑之助、通称ギューちゃんは、色欲・欲・金銭欲の権化のような人物で、四国の宇和島から一旗あげようと上京し、株屋の小僧として下働

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  • 確かにバラマキですが、それが何か? - 梶ピエールのブログ

    春節明けの中国が各地ですごいことになっているらしい。産経新聞の報道より。 【上海=河崎真澄】定額給付金問題で揺れる日を尻目に、中国浙江省の景勝地として知られる杭州市は、国内旅行客の呼び込みのために「消費券」の配布を発表するなど、あの手この手の給付金作戦を展開している。 杭州市は13日、総額約800万元(約1億700万円)分の消費券を近く、上海市内のショッピングセンターなどで通行人に無料配布する異例の作戦を明らかにした。杭州市内の飲店や商店、観光地などで使用できる100元(約1340円)分のクーポンだ。 杭州市は上海市内から高速道路で2時間ほどの距離にあり、中間層の多い上海から観光客を招き寄せる“呼び水”にする。上海以外でも江蘇省の都市部でクーポンのばらまきを検討している。 さらに杭州市では、市職員幹部を対象に給与の5〜10%を消費券で支給する構想や、市職員が語学などの能力を伸ばすための

    確かにバラマキですが、それが何か? - 梶ピエールのブログ
    walwal
    walwal 2009/02/14
    中国の地方行政ってどれくらいの裁量が与えられているんだろう?このエントリーを見る限り結構腰が軽そう。
  • 10年前とは何が違うのか - 梶ピエールのブログ

    ご存知のように、中国の預金・貸出金利および預金準備率の引き下げが発表された。今回の一連の金融緩和および財政出動のポリシーミックスは、1998年のアジア金融危機後の対応にそっくりだという声もあるが、じっくり比較してみるとむしろ差異のほうが大きいように思える。危機の深刻さは今回のほうがはるかに上かもしれないが、その反面、政府の対応のほうもはるかに適切になっているという印象を受ける。 まず、政策レジーム転換までの素早さが、かつてとは比べ物にならないほど改善している。アジア危機の打撃が明らかになった1998年当時には、ザ・清算主義とも言うべき政策スタンスの朱鎔基が3月に首相に就任したことなどもあって、年初には明らかに景気後退に陥っていることが顕著であったのに、実際は1998年の8月になるまで拡張的な財政政策への転換は見送られた。 預金・貸出金利のほうはかなり引き下げられたが、不況への懸念から貨幣需

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  • 積極果敢な中国の政府と中央銀行 - 梶ピエールのブログ

    このたびの中国の4万億元の経済対策については、日のネット界ではなんといっても津上俊哉氏の分析が詳しいが、こちらの方でもいくつか重要だと思える点をメモしておきたい。まず強調しておくべきなのは、中央銀行が眠ったまま機能していないどこかの国とは異なり、今回の決定が大規模な財政出動と金融緩和のポリシー・ミックスである、ということがはっきりしている点だ。このことは温家宝首相が内需拡大策を打ち出してから間髪を入れず、周小川中国人民銀行行長が、年内の利下げも視野に入れた金融緩和によって財政的な刺激策をサポートするという姿勢を明確に打ち出していることからも明らかである。このような金融当局の積極姿勢を裏付けるように、11日には国債レポ市場における公開市場操作を通じて500億元規模という大規模な流動性供給が行われたと伝えられた。同時に、短期金融市場における流動性供給の手段として新たに入札型ターム物貸出(TA

    積極果敢な中国の政府と中央銀行 - 梶ピエールのブログ
    walwal
    walwal 2008/11/13
    「特に、悲観主義を打ち消そうとして必死にばら撒き政策を打ち出しながら、まったくその目的を果たしていないどこかの国の政府と比べると」(ノД`)シクシク
  • がんばれ(いろいろな意味で) - 梶ピエールのブログ

    昨日のエントリは結構反響が大きかったようなので若干のフォローを。 まず、中国ネチズンの間での『激流中国』の高い評価についてだが、番組の内容にインパクトがあったということに加えて、もう一つ忘れてはならないのは、こういった市民(ネチズン)の中に「格差問題」あるいは「報道の自由」といったテーマに関する現状・政権批判的な機運がかなりの程度醸成されているということだろう。 中国の活字メディアには、このような市民のニーズに応えようとするものが少なからずあり、実際に広く支持を集めている。『激流』でも紹介された『南風窓』やそのライバルの「南方報業グループ」の発行物は炭鉱労働者や地方の農民の悲惨な状況に関する数々の「スクープ」をものしてきたし、北京の『財経』誌は株のインサイダー取引や国有企業のMBOなどに関するギリギリの疑惑追及を行ってきた。 だがテレビはどうだろうか。一時期はCCTVの『焦点訪談』がやはり

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  • 梶ピエールの備忘録。 - どう考えても盛り上がっているのは李嘉誠のほうだと思われる件について。

    どうも日のネット界はこのところ福田康夫首相と「のび太」ネタで盛り上がっているようだが、実は中国のネット界でそれ以上に盛り上がっているのが、福田首相と香港財界の大物・李嘉誠がクリソツだというネタで、大手掲示板サービスの「百度」などを中心に「激似」「それほど似てない」「親戚に違いない」「この際李嘉誠を駐日大使にしろ」などの書き込みが相次いでいる。 http://hi.baidu.com/carfieldhotel/blog/item/424c04237a93bf519922ed34.html http://hi.baidu.com/without_t/blog/item/e789bcfa083fcbddb58f3175.html 実際、中文版google(谷歌)で「福田康夫」& 「野比康夫」で検索をかけるとヒット数が5,120、「福田康夫」&「机器」で検索すると20,300であるのに対して

    梶ピエールの備忘録。 - どう考えても盛り上がっているのは李嘉誠のほうだと思われる件について。
    walwal
    walwal 2007/09/30
    確かに似ているなぁ
  • 梶ピエールの備忘録。 - 消費者運動が強める多国籍企業の影響力

    では、企業の勝手にさせとくととかく汚いことをして金を稼ごうとするので、「正義」を実現するにはお上が適度に規制したほうがよい、という観念がまだ強い、ような気がする。 しかし、多くの発展途上国では、多少とも名の通った多国籍企業の方が腐敗しきった政府よりよっぽど「倫理的」であるというのがもはや常識となりつつある。もちろん、労働CSR(従業員の労働条件や人権に関する企業の社会的責任)という概念の普及がその背景にある。 労働CSR入門 (講談社現代新書) 作者: 吾郷眞一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/08/17メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (10件) を見る このは、一般にはまだあまりなじみのない労働CSRとはどんな性格のもので、グローバル経済の中でどんな意味を持つのか、ということについて分かりやすく解説してくれている好著だ。企業が遵守しなければならな

  • 食の安全とグローバリゼーション - 梶ピエールのブログ

    NHK『クローズアップ現代』でここ2日間ほど中国品の安全性やコピー商品という今「旬」の話題をテーマに取り上げていたが、さすがにしっかりしたつくりの番組だった。中国性の品に問題のあるものが多いことはもはや誰でも知っていることで、そのことをことさら騒ぎ立てても情報量としてはゼロである。今ジャーナリズムが当に明らかにすべき問題は、前から品質が劣悪だったのに最近になって騒がれだしたのか、それとも最近になって品質が急速に悪化しだしたのか、まただとしたらその原因は何か、ということであるはずだ。 『クローズアップ現代』では、中国のうなぎの養殖業者の取材を通じて、高騰する生産コストと上昇しない買い付け価格という近年の中国側業者をとりまく厳しい状況が、これらの業者に不正な手段でコストダウンを行う強いインセンティヴをもたらしているという構図を浮き彫りにしていた。もともと中国産の野菜が日の市場に入って

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    walwal
    walwal 2007/08/22
    中国の生産者は生産コストの上昇と上昇しない買い取り価格との板挟みにあっているのか。
  • [経済][グローバリズム]イースタリーと世銀との確執-梶ピエールの備忘録。

    韓リフ先生のところで『週刊東洋経済』に掲載されたサックスのアフリカ援助に関する記事が紹介されている。 中国アフリカ援助をどう考えるか、という点も難しい問題だが、ここではイースタリーとの「因縁の対決」について若干のフォローを。 以前に紹介した「福祉国家」の評価をめぐる論争以降も両者の小競り合いは続いていて、この3月と4月にも'Economists View'で以下のやり取りが紹介されていた。 イースタリーによる「貧困の罠」批判 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2007/03/william_easterl.html サックスによる反論 http://economistsview.typepad.com/economistsview/2007/04/jeffrey_sachs_t.html 簡単に論点を整理すると、イースタリー

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  • 梶ピエールの備忘録。 - だめだこりゃ

    内田樹氏の『街場の中国論』が店頭に並んでいる。以前のブログでの記述からある程度予想できたことではあるが、はっきり言って全くお勧めできない内容である(よってリンクは貼らない)。「儒教圏のすすめ」「専門家批判」など、書の主張の是非についてはとりあえずおいておくとして、やはり看過できないのは事実関係についての記述の誤りだ。 このの中に具体的な歴史に関する記述はそれほど多くはないのだが、そのなかでも明らかにおかしい点が混じっており、読むとかえって混乱するので、中国に詳しくない人はまず読むべきではない。かといって中国に詳しい人間が読んでもそこから得られるものはほとんどないだろうけど。 最もひどいと感じたのは第二次世界大戦後の台湾に関する部分で、日の敗戦から二.二八事件とその後戒厳令の発令を経て国共内戦の終結、さらにその後の白色テロ、という基的な事実関係に関する知識があやふやなために支離滅裂と

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  • 梶ピエールの備忘録。:島耕作もびっくり!なぜ中国企業が作るものはこんなに安いのか

    『クーリエ・ジャポン』6月号に掲載された山形浩生さんの記事で、Economist誌の中国系自動車メーカーについての記事が紹介されていた。まあ一連のコピー製品を揶揄するような内容なんだが、それにしてもいくらコピーしているからといってどうしてそんなに安い(オリジナルの半額くらい)製品を作れるのか、謎だ、とEconomistも山形さんも首をひねっており、Economistのことだからそのうち何かもっともらしい分析結果を出すかもしれない、という言葉で締めくくられていた。 しかし、わざわざEconomistが謎を解いてくれるのを待つ必要はない!中国産業研究の分野ではたぶん世界のトップランナーである、丸川知雄さんの新著を読めばその答えが(あらかた)わかるからである。 現代中国の産業―勃興する中国企業の強さと脆さ (中公新書) 作者: 丸川知雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/05メデ

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