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うどんに関するyamatt_bulkのブックマーク (5)

  • ぴょんぴょん: 極東ブログ

    僕の前に座った女の子にメニューを手渡すと、彼女はいろいろと見て迷い、結局ザルうどんにしたようだった。僕はカレーにしていた。注文が終わるとほかにすることがなく、僕はぼんやりしていた。彼女はケータイを見ていた。メールのチェックだろう。ケータイには緑色の、柔らかな直径3センチほどの玉がついていた。 最初にカレーが来た。それからザルうどんが来た。なんとなく目が会ったので、「うどん、コシがありますか?」ときいてみた。やっぱりうどんにすべきだったかなと思っていたのだった。 けげんそうな顔というのではなかったけど、彼女は何を問われているのかわからないようだったので、「固いですか」と付け加えた。 「ええ」と彼女は言う。 「うどん、好きなんですか」 「ええ」 会話はそこで終わるはずだった。彼女が僕に「カレー、好きですか」ときくことはないだろう。まあ、そのとおり。 ふとした間があってから、彼女は「名古屋のうど

  • 山田うどんの煮込みソースカツ丼: 極東ブログ

    「山田うどん」(チェーン店名)があるからといってそこが埼玉とはかぎらない。だが、そこが東京であれ神奈川であれ千葉であれ、とても埼玉みたいなところだ。山田うどんの店内に入り、「埼玉県人、挙手っ!」と呼びかけたら、みんな手を上げる。 山田うどんに入るのは三年ぶりくらいだ。カウンター席に座る。頼むのは、うどんだろ。やはり、うどんだろ。なにせ山田うどんだ。いや、山田うどん通ならみんな知っているが、うどんをべに山田うどんに来るわけではない。でも、うどんかな。 メニューを見ると、11月のお薦めは辛味噌と煮込みソースカツ丼とある。11月? 埼玉はまだ11月なのだ。ま、いいや。辛味噌は辛そうでべられないが、煮込みソースカツ丼なら……え? 煮込みソースカツ丼って何? 言葉から連想できるものはある。「煮込みソースカツ丼」だから、カツをソースで煮込んでどんぶりご飯に載せたものでは、あるまいか。「きつねラーメ

  • 鍋焼きうどん2.0: 極東ブログ

    頬に当たる小さな雨粒が冷たく、かすかに痛い。霙か。重たい色の空を見上げていると雪に変わっていくのがわかる。積もるなんてことはないだろうと思っているうちに、降り止む。ぞっとするほど寒い。遠くの森のコビトが朝会で鍋焼きうどんだと言う。ほんの一瞬。0.1秒。だが脳裏をよぎった幻想は後になって思えば悲劇の予告編だった。 慣れないショッピングセンターを出てどこに車を停めたっけと人の気配のない駐車場を回っているうちに、道なりに続く住宅街の一軒が、こざっぱりとした新築の小料理屋に見える。こんなところに小料理屋があったかと思っているうちにショッピングセンター従業員が数名、店に入っていく。営業中。つられて店の前に向かい、戸口に立つと、うどん屋だった。手打ちうどん専門らしい。 店主、よほどうどんが好きで脱サラでもしたのだろうか。期待もあって、うどんにするかと戸を開くと飲み屋のようなつくりの店内には七割がた客も

  • 老人はなぜ、うどんをあんなに食べるのだろうか?: 極東ブログ

    近所にうどん屋ができた。うどん屋といっても、大路に面した、駐車場の広いファストフードタイプの店である。ざっと見たところ、牛丼屋やラーメン屋の風体でもあるが、店の外観は黒ベースで和風の印象もある。大書した看板を見るに、うどんの種類は、さぬきうどんらしいが、釜揚げうどん、ともある。「花丸うどん」のようなものかもしれない。こういうものが流行っているのだろうか。気になって寄ってみた。 駐車場のつまり具合から予想はしていたが店内に入ると、混んでいる。入り口の戸を開けるや自然に並ぶことになっている。おや? これは学? セルフサービスらしい。プレートを手に取る。 どんなメニューがあるのか、どういう支払いシステムなのか。よくわからない。まあ、二、三人前の人の真似をしていたら、なんとかなるだろう。先頭にいる村長さんが芋をすべらしたら、私も箸に刺した芋を振り払えばいい。いや、芋はない。だが、村長さんは、いた

  • 鍋焼きうどん: 極東ブログ

    ドアを開けて二、三歩。なにかを忘れている。立ち止まる。サイフでもケータイでもない。なんだろうかと思うや首筋がすっと寒くなる。そうかネックウォーマーかと思い、そうだ鍋焼きうどんだと思う。 混む時間帯を外して蕎麦屋に入ると今日は身障者がひとり。おばさんは熱いお茶を運んでくれる。「鍋焼きうどん」と私は言い、アダージョの四分休符を置いて「上」と言う。しわびた読売新聞を開いて珍妙な書籍広告を見ているうちに、ぐつぐつと泡を吹いて煮え立つ鍋焼きうどんが来る。こうでなくてはいけない。小盆に載せられた鍋は、逆さ返した蓋に鎮座している。 アフロディテを産み終えた泡が少し引いてゼウスの男根のように海老天がそそり立ち、満月が輝く。神々よ、鍋焼きうどんよ。時は来た。 祈りは短い。作業にかからねばならない。まず麩を探し、卵の黄金の輝きの上に載せ替える。その構築物の安定のために鳴門をワキに添える。よし。おっと、小皿のネ

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