2012年、日本政治の大きな争点の一つがTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加問題だ。政治ジャーナリスト・渡辺乾介氏(『小沢一郎 嫌われる伝説』著者)が小沢一郎・元民主党代表にTPP問題についての見解を聞いた。* * * ――TPP参加論者たちは、小沢さんはもともと市場開放論者だったじゃないかという物言いをする。小沢:そう。僕は開放論者ですよ。――かつてのウルグアイ・ラウンド(※1)の時も、いち早く開放して有利な交渉権を獲得しようとした。小沢:僕はそう主張した。だけど、日本政府はそれをいえなかったわけだ。あの時は自民党内で話が全部でき上がっていた後だから、そこから動かす余地はあまりなかったんだけれど、僕は自由貿易に原則賛成したうえで交渉すればいいという意見だった。今だって政府に交渉能力があるんだったら何も心配ないです。――しかし……。小沢:ないから心配になる。――アメリカの言いなりになる