日本の平和と安全を守るため、日夜、身を挺(てい)している自衛隊員の存在を否定する暴言が政府の中枢から飛び出した。 仙谷由人官房長官が参院予算委員会で「自衛隊は暴力装置でもある」とした答弁である。 自衛隊は国家の命令があれば、どんな危険な任務にも赴き、国家と国民の負託に応えねばならない。官房長官は、国防に関する重要事項などを審議する安全保障会議の一員であり、防衛出動などの命令にも関与する。 そうした国を担う統治責任の意識はみじんもうかがえない。自衛隊の士気を阻喪させ、隊員への敬意のかけらもない発言は、官房長官として極めて不適切であり、更迭に値するとしかいえない。 「暴力装置」は無法の暴力集団をイメージさせる。仙谷氏は自民党の抗議を受けて、「実力組織」と言い換え、「自衛隊の皆さんには謝罪する」と発言を撤回した。だが、仙谷氏は以前にも同様の表現を使っている。本音ではないのか。「本人が発言を撤回し