【解説】 世界保健機関(WHO)は2月28日、東京電力福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質による健康影響の評価を発表した。そのニュースリリース「Global report on Fukushima nuclear accident details health risks」(福島原発事故の健康リスクの国際報告)を翻訳して紹介する。 このリリースの結論は、がん患者の増加などの健康被害は、福島の住民の間で起きる可能性は少ないというものだ。またがんリスクの向上のため、検診の強化を推奨している。しかし、このリリースは、福島でがんが増えるという誤解を招きかねない表現があり、一部メディアでは誤った報道をしているので、正確な内容をここで示す。 後述のリリースでは、がんの増加の可能性が「幼児期に被曝した女性について4%増」などと数字で示され、また「甲状腺がん:乳幼児として被曝した女性について70