こちらの記事によると、このほどロシア外務省は、2015年にロシアとモルドバの貿易が縮小したのは、モルドバとEUの連合協定・FTAのせいであるとするコメントを発表した。これはモルドバのアンドレイ・ガルブル副首相・外務欧州統合相が訪ロするのを前に、ロシア外務省がコメントを発表したものである。2015年にロシア側の対モルドバ輸出は30%、輸入は41.2%縮小した。ロシア側は、第三国の製品がモルドバからロシアに再輸出されるリスクを最小化するためと称して、モルドバからの輸入に関税を導入している。また、果実・葡萄関連製品に、植物検疫上の制限を課している。 ブログランキングに参加しています 1日1回クリックをお願いします
モルドバの南部に、トルコ系の正教徒であるガガウス人のガガウス自治区というのがある。こちらの記事によると、ガガウスの最大企業であるTrans Oil Refineryという会社(ひまわりの種から植物油を抽出する工場)が、4月1日から3ヵ月にわたって操業を一時停止し、従業員を一時帰休させたということである。市場の落ち込みによる販売不振が原因。ガガウスで栽培されたひまわりはすべて同社が買い上げており、地域への影響は深刻だという。工場はモルドバで2番目の規模を有し、南モルドバでは唯一の油脂抽出工場、年産15万tのキャパがある。ジュネーブに本部を置くTrans-Oil Group of Companiesという国際グループに属しているが、各生産企業はそれぞれ自立している。なお、ガガウスでは本件に先立ち、アセナ・テクスチリという縫製企業も操業を停止しており、300人が失業したばかりだった。 ブログラン
一般的な話題でなく恐縮だが、私の研究分野なので。こちらに、ベラルーシのナフタン製油所に関する結構詳しい記事が出ている。記者が工場を訪問してルポを書いたようだ。主要点だけメモしておくことにする。 ◆ ノヴォポロツクにあるナフタン製油所はベラルーシ最大企業の一つで、1万人あまりを雇用している。ここ数年は厳しい市場を勝ち抜くために近代化工事が続けられている。2016年にもベラルーシ政府の計画に沿って、2つの建設工事が実施される。それに伴い、50年以上稼働してきた原油の一次処理設備は、稼働を停止することになる。新たな能力により、原油の年間処理量は現在の1,000万tから1,200万tに拡大し、製品得率は欧州並みの90%近くになる。白油得率も向上する。過去5年間で12億ドルの設備投資を実施してきた。 2015年のナフタンの売上高は、前年比37.7%増の48.4兆ベラルーシ・ルーブルに達した。だが、純
以前、「ウクライナのチタン上流産業をめぐって」という記事を書いたことがある。政商のD.フィルタシがクリミアにクリミア・チタン社という酸化チタン製造工場を有しているのだが、原料となるイルメナイト鉱石はウクライナ本土で採掘されており、生産の存続が危ぶまれるという話だった。 このほどこちらの記事で、そのクリミア・チタン社の近況が伝えられていたので、簡単にメモしておく。記事によれば、やはりクリミア・チタン社は電力、水、原料などの供給の問題に直面しており、それが原因で現在の稼働率は60%にとどまっている。企業が所在するアルミャンスク市のV.テリジェンコ市長は、これらの問題を解決するには、ロシア本土との輸送路を構築しなければならないと主張する。工場では約5,000人が働いており、アルミャンスク市は実質的に同社の企業城下町になっているという。 ブログランキングに参加しています 1日1回クリックをお願いし
ロシア・ベラルーシ・カザフスタン・キルギス・アルメニアの5ヵ国で形成されているユーラシア経済連合。2015年のユーラシア域内貿易の内訳を整理したのが、上図である。明らかに、ユーラシア経済連合では多角的な域内貿易のネットワークが発達しているというよりは、一部の二国間貿易に偏重している。具体的には、ロシア・ベラルーシ貿易、ロシア・カザフスタン貿易が圧倒的に多く、この2つの二国間貿易だけでユーラシア域内貿易の9割強を占めている。それに次ぐのがロシア・キルギス貿易、ロシア・アルメニア貿易ということで、これらロシアを軸とした二国間取引が全体の96.6%を占めているわけである。逆に、ベラルーシ、キルギス、アルメニアといった小国同士の二国間関係は、微々たるものである。一番少ないのはキルギス・アルメニア貿易で、2015年の取引額はわずか50万ドルであり、ユーラシア域内貿易に占めるシェアは0.001%程度と
カザフスタンがWTOに加盟したことに伴い、カザフはユーラシア経済連合の統一関税率よりも低い関税率を新たに導入することになった。こちらなどに見るように、カザフのこれまでの平均関税率が10.4%だったのに対し、今後は6.5%になる。はっきり言って、ユーラシア経済連合は関税同盟としては有名無実化したと言わざるをえない。 それで、アーンスト&ヤングが2月に発表したこちらの資料が、事実関係を要領良く整理していて、便利である。この資料によれば、2015年10月14日付けのユーラシア経済委員会理事会決定第59号が、2016年1月11日に発効した。決定第59号は、カザフがWTO加盟に伴って負った義務に従い、カザフがユーラシア経済連合の共通関税率よりも低い税率で輸入できる全1,347品目のリストを制定したものである。この共通関税率よりも低い関税率で輸入した商品を、他のユーラシア諸国に持ち込むことは禁止される
こちらの記事が、IMFが中央アジアおよびコーカサス諸国の経済成長見通しに関するレポートを発表したということを伝えている。調べてみたところ、当該のレポートはこちらのサイトにある「新たな凡庸を避ける:中東および中央アジアにおける長期的成長の浮揚」というもののようであり、同サイトからフルテキストをダウンロードできるようになっている。 熟読している余裕はないが、コーカサスおよび中央アジア諸国の経済はエネルギー価格の低下、ロシア経済の落ち込み、ウクライナ危機に起因して苦境に立っている、といったことが指摘されているようである(これだけ聞くと、あまり新味がないような気もするが)。 ブログランキングに参加しています 1日1回クリックをお願いします
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