表題の記事が公開されました。日本が対米開戦(真珠湾攻撃)へと向かった理由を、進化政治学的観点から検証しています。進化政治学とは、進化論的視点から政治現象を分析する手法とのことです(関連記事)。まず、対米開戦か避戦か悩んでいた日本の指導層にとって開戦を決意する直接的な引き金・最後の一押しがハル・ノートだった、との見解は妥当だと思います。ハル・ノートのような「他国の不当な行為は国内アクターの憤りを生みだすため、それは指導者にとり攻撃的政策への支持を得るための戦略的資源となる」との指摘も尤もだと思います。 ただ、対米開戦の直接的要因をハル・ノートによる日本の政策決定者の憤りとまで言ってしまうと、かなり問題があるように思います。ハル・ノートの内容を知った日本人の多くに、感情の一要素として憤りはあったでしょうから、憤りを開戦理由の一つとして挙げるのであれば、無理筋とまでは言えないでしょうが。そもそも