発売を待ちわび、すぐ買った。『テヅカ・イズ・デッド』でマンガ批評にサード・インパクトを起こした(と、個人的には思っている、セカンドは夏目房之介)伊藤剛の単著二作目『マンガは変わる』。1996年から2007年にわたって雑誌などに書かれてきた原稿が一冊の本にまとまりました。 『テヅカ・イズ・デッド』は2005年の刊行。手塚の死後マンガがつまらなくなったとする言説に疑問を覚えた著者が、これまでのマンガ評論と正面から対峙し、その理論が手塚以後の近代的リアリズムしか照射に入れてこなかったこと、それゆえに現在のデータベース化したマンガの魅力に追いつけていないことを暴きだした快著。 内面をもった存在として描かれる「キャラクター」から物語に関わらず魅力的な存在である「キャラ」を隠蔽し「近代化」するまさにその瞬間を、手塚自身の起源的作品『地底国の怪人』に見出す力強い展開は圧巻で、賛同するしないにかかわらず、