【ワシントン白戸圭一】クリントン米国務長官は4日、民主化要求運動に対するアサド政権の弾圧が続くシリア情勢について「(シリア)政府は、2000人以上の死について責任を負っている」と述べ、米政府として初めて一連の弾圧による犠牲者が2000人を超えるとの見解を示した。訪米中のカナダのベアード外相との国務省での共同記者会見で明らかにした。死者は反体制派によって1700人超と推計されていたが、これを上回る犠牲者が出ている可能性が高まった。 国連安全保障理事会は3日、シリア政府に武力行使の即時停止を求める議長声明を採択したが、弾圧は中部の都市ハマなどで一層、激化している。国際社会はこれを阻止する実効性のある手立てを講じておらず、犠牲者はさらに増えそうだ。 クリントン長官は記者会見で「アサド大統領はシリア国民を統治する正統性を失っている」と指摘。カーニー米大統領報道官も4日の会見で「アサド氏がいない方が