42年間に及んだカダフィ大佐による絶対的な独裁体制が崩壊したリビア。この間、一度も選挙が行われず、言論や結社の自由などの権利を否定されてきた同国では、国民の大半が民主主義の未経験者だ。どうやって国造りを進めればいいのか。首都トリポリでは、多くの市民が、戸惑いながらも身近な社会活動に参加することで、その答えを探そうとしている。(大内清) トリポリ中心部で今月10日、反カダフィ派兵士による「祝砲」を批判する数十人の小さなデモが行われた。主催したのは3日前に設立されたばかりの市民団体「革命の若者たち」だ。 リーダーの一人、サラーフ・ハンデルさん(32)は「率直に言って、民主化といってもピンとこない」と告白する。「でも、仲間は皆、新しいリビアに関わりたいとの気持ちが強い。だからデモで考えを伝えることにしたんだ」 手分けして市内の病院で調査を実施したところ、8月下旬のトリポリ陥落後、落下してきた祝砲