反政府デモが続くシリアの国営シリア・アラブ通信は5日、イスラム教の祝祭期間「犠牲祭」が6日に始まるのを前に「現在の出来事に関与した553人の拘束者を釈放した」と伝えた。デモの際に拘束した市民の一部を釈放することで、融和を図るアサド政権側の狙いがあるとみられる。 アラブ連盟は2日、デモ弾圧停止や部隊撤収を定めた調停案をアサド政権が受諾したと発表したが、政権はその後もデモ弾圧を継続。同通信は、武器の不法所持者が12日までに警察署に出頭して武器を引き渡せば罪に問わないとの内務省声明も伝えている。 一方で、同通信によると、今回釈放されたのは「その手が血塗られていない者」とされており、一部の離反兵士など治安部隊を攻撃した人々は対象外とみられる。(共同)