FOMC(米連邦公開市場委員会)が終了した。声明では、利上げに「忍耐強くなれる」との文言が削除されたが、今週開催された日米二つの金融政策決定会合を見るにつけ、イエレンFRB議長と日銀黒田総裁の違いが、改めて浮き彫りになったといえる。今回のコラムではこの話をしたい。 二人の素養に差はない。ともに素晴らしいセントラルバンカーだ。 違いをもたらしている理由は二つ。第一は、置かれている状況にある。 米国FEDは、まさにゼロ金利解除なら、その瞬間に動く。独特の緊張感がある。戦場感とも言うべきものがある。だから、議長の言葉にも力があり、魂が込められている。聞く側にも緊張感がある。一方、日銀は何もすることがない。賽は投げられたのであり、もはや見守るしかない。だから、言葉には力がなく、受け身であり、様子見であり、魂ここにあらず、なのである。 なぜイエレン議長は尊敬され、黒田総裁はされないのか しかし、より