北海道の中で特にメガソーラーの建設計画が集中する地域がある。札幌から南へ50キロメートルほど離れた苫小牧(とまこまい)の周辺だ。太平洋岸にあって日射量が豊富なうえに、工業地帯が広がっていて電力需要は大きい。メガソーラーの立地条件で重要な送配電網も問題なく整備されている。 苫小牧市に隣接して、人口9000人弱の安平町(あびらちょう)がある(図1)。この町の一角を占める166万平方メートルの広大な土地に、日本で最大のメガソーラーを建設する計画が進んでいる。ソフトバンクグループのSBエナジーと三井物産が共同で開発する「ソフトバンク苫東安平(とまとうあびら)ソーラーパーク」だ。 東西に約1キロ、南北に約2キロメートルの敷地を生かして、発電能力は111MW(メガワット)に達する(図2)。2015年末までに運転を開始する予定で、年間の発電量は1億kWhを超える見込みだ。一般家庭で3万世帯分の電力使用量