筆者が小学校低学年くらいに手に取った子ども向けの乗り物図鑑に、未来の乗り物が未来都市のイメージと共に描かれていた。超高層ビルの間を縫うように、流線形のリニアモーターカーやガラスのカプセルのような形の自動車が走り、自動車の中では、ピクニックのように家族で食事をしている様子が描かれていた。どのくらい先の将来をイメージして描いたものか分からないが、将来は自動運転でどこにでも行けるようになるという説明があった。 筆者がこれを眼にしたのは第1次オイルショックの直後くらいだと思うが、この絵は、1964年の東海道新幹線の開通と東京オリンピックの開催、その後のモータリゼーションの進展という高度経済成長期の雰囲気を、如実に反映して描かれたのではないかと思う。何故なら、その時代背景にあったであろう未来に対するワクワク感を感じながらその絵を眺めていた気がするからである。 先日、日本の大手自動車メーカーが、自動運